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2017/06/14

「ふるさと」はどこにあるのか。

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CED(Chief Ecosystem Designer)の茂木です。

先週末に新潟県の佐渡市で2014年から毎年開催されている「学校蔵の特別授業」に事務局スタッフとして参加してきました。

「学校蔵の特別授業」は、元々は廃校になった小学校を佐渡の酒蔵である尾畑酒造が市から譲り受けて学校で酒を作る事業を始めたことがきっかけで始まり、2014年から年に1回「里山資本主義」などの著作で有名な日本総合研究所の藻谷浩介さん他著名人をお呼びして島内外の方々が集まり共に学ぶ場です。

同窓会に参加するような気持ちで4年間通い続けた

私がこのプロジェクトに関わることになったきっかけは、某大手鉄道会社に勤務する私の友人が、尾畑酒造専務で「学校蔵の特別授業」の発起人かつ「学校蔵の特別授業」の学級委員長である尾畑留美子さんと私との飲み会をダブルブッキングしてしまい、折角だから!と一緒に飲んだことがそもそものご縁の始まりでした。
当時は第1回の特別授業が始まる前段階で、藻谷浩介さんが来てくれる事にはなったものの、どういう場にして、どうやって人を集めたらいいのか、と悩んでいた留美子さんの相談に乗るような流れからこのプロジェクトに関わる事になったのでした。当時は、私自身も何ができるかはよくわからなかったのですが、なんとなく面白そうだからと手弁当で佐渡にも通いながら第1回のイベントを一緒にやり切るところからのスタートでした。それが気づいたら今回まで4年連続で運営サポートとして関わる事になり(2年目は自身も登壇者の一人として、3年目は「体育」の授業で「みんなで踊ろう、佐渡おけさ!」の場の司会進行として、そして今年は駐車場の交通整理として)、イベント自体も1年目は約40名だった参加者が今年は100名を超える多様な人たちが集まるイベントになり、一つの臨界点を超えたような状況になりました。

今回のイベントの中で、「なぜ茂木は毎年このイベントに関わるのか?」ということをみなさんの前で話す機会があったので、改めて自分なりに考えてみたのですが、「同窓会のようにここで出会った人に再会するため」というのが自分の一つの結論でした。
4年間続けていると、様々な参加者が積み重なっていきます。初年度から毎年参加している人もいるし、過去に一度だけ参加した人もいますが、半分以上はリピート参加の方々です。同じ学びの場所と時間を共有した人たちと、1年に1回立場やしがらみを超えて自由に語り合える時間はなかなかに幸せな時間です。ふるさとの同窓会に参加するような楽しさが年を重ねるごとに強まっているのです。

大切な人との関わりの記憶がふるさとを作る

ここで改めて「ふるさと」や「学校」って何だろうということを考えました。
自分は転勤族だったので、青森で生まれたとか、父親の実家が福島だったり、東北方面に地縁があるのですが、長く住んでいたのは関東圏で、いわゆる「ふるさと」と呼べるような地域がなく、気仙沼をはじめ、様々な地域に関わり始めた時は「ふるさと」というものにとても憧れました。

今回、佐渡と学校蔵に4年間関わってみて改めて感じた事は、
「ふるさと」は「誰かと共に過ごした時間が場所と結びついたもの」
と捉えることができるのではないかということです。

その際に学生時代に一番時間を過ごす学校と友達の記憶がその土地と結びついて「ふるさと」の記憶として蓄積することが多いのではないかと思うのです。
私の場合は、東京の中高一貫校に通っていたので、当時住んでいた埼玉県よりも当時通っていた学校の仲間との記憶が、ある意味の「ふるさと」に近い記憶として自身のオリジンの一部となっている感じがします。

そう考えるとこれまでの人生で出会ってきた様々な人との関わりや場所の記憶が全て自分の「ふるさと」と言えるのではないかということです。それが定期的に積み上がる場所があると、自己認識しやすくなるのかもしれません。
我々はエコシステムデザインファームと自己定義をしていますが、我々が考えるエコシステムデザインというのは、それぞれが「ふるさと」と呼べるような人との関係性や思い出を組織や地域という物理的な場所と接続しながら紡ぎ上げていく事なのかなと改めて感じ、まずはBOLBOPという場自体が関わる人にとっての「ふるさと」のような場になると良いなという思いを抱きました。

尾畑酒造株式会社 学校蔵プロジェクト 特別授業運営のページはこちら

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